システムエンジニアは人材不足の業界とも言われ、転職市場において2024年現在でも未経験歓迎の求人が多く見られます。
未経験でも挑戦しやすい業界なので、挑戦したいと考える人も多いでしょう。
しかし、いざ転職を考えると「具体的に何をすべき?」「どんなスキルが必要なんだろう?」と疑問も出てくるものです。
そこでこの記事では、システムエンジニアに未経験からなる方法を詳しく解説します。
転職するために最も重要な準備やスキルも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
システムエンジニア(SE)とは?
システムエンジニアに未経験から転職する方法を紹介する前に、まずはシステムエンジニアの仕事内容や年収を確認しておきましょう。
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システムエンジニア(SE)の仕事内容
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システムエンジニア(SE)の平均年収
仕事内容や平均年収を理解しておくことで、実際に転職したあとの生活を具体的にイメージできます。
システムエンジニア(SE)の仕事内容
システムエンジニアの仕事は、システム開発の全般に関わる仕事です。
システム開発と聞くと未経験者の人の多くは、パソコンに向かって黙々とプログラミングを行っている姿を想像するでしょう。
しかし、実際のシステム開発は、以下の流れで進むことが一般的です。
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システムの要件定義
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システムの設計
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製造(コーディング)
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テスト
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運用・保守
上記のようにシステム開発は顧客からの要望を聞き出す要件定義や設計書の作成、リリース後の運用支援や保守にいたるまで、様々な工程が必要になります。
システムエンジニアは基本的にはこれら全ての工程に携わり、顧客の要望に合わせたシステム開発を実施するのが仕事です。
正確に顧客の要望を聞き出したり、場合によってはシステムそのものの実現性などについて話し合ったりしなければならないため、淡々とプログラミングができれば良い職種ではありません。
システムエンジニア(SE)の平均年収
システムエンジニアの平均年収は、厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「jobtag」の情報によると平均約557万円です。
令和4年民間給与実態統計調査によると日本の平均年収は458万円なので、システムエンジニアは平均よりも100万円程年収が高い職種と言えます。
当然、スキルや経験によって個人の年収は変わりますが、統計上で見る限り、システムエンジニアは経済的に安定した生活が送りやすいでしょう。
また、フリーランスなど独立もしやすい業界なので、自分のスキルさえあればどんどん年収を高められます。
実際に弊社サービス「テックヒーロー」では、月単価が100万円を超える求人も多く保有しているので年収1,000万円以上も夢ではありません。
未経験でSEになるには
未経験でSEになるには、転職に挑戦する前に以下3つの準備を整えるのがおすすめです。
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プログラミングスキルを習得する
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ポートフォリオを作成する
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面接の準備をする
それぞれ具体的に解説するので、転職成功に役立ててください。
プログラミングスキルを習得する
未経験でシステムエンジニアになるには、プログラミングスキルを習得しましょう。
ただし、実務レベルで活躍できるほどのスキルの習得は、実際にシステムエンジニアに転職して経験を積まなければ難しいです。
当然、企業側もそこまでの技術レベルを未経験者に求めていません。
未経験者の場合は、少なくとも初級レベルのスキルを身につけるのがおすすめです。
具体的には、以下のような言語に関する初級資格を保有しておくと良いでしょう。
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Java:Java Bronze
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Ruby:Ruby技術者認定試験 Silver
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C言語:C言語プログラミング能力認定試験3級
上記のような資格取得をしておくことで、転職の際にもやる気や学習意欲の高さをアピールできます。
ポートフォリオを作成する
システムエンジニアに転職を目指す場合は、ポートフォリオの作成もおすすめです。
ポートフォリオとは、自分が作成した成果物をまとめた資料を指します。
成果物を元にポートフォリオを作れば、採用担当者に自分の技術レベルを的確にアピール可能です。
また、成果物を作る過程で、実際にプログラミングも行うため自分の技術力向上にも役立つでしょう。
資格を保有しているだけでなく、自分の力でWebサービスなどを作成した経験がある場合は、採用担当者に対してさらなるアピールポイントにもなります。
面接の準備をする
システムエンジニアの転職には、面接の準備も欠かせません。
特に未経験でキャリアチェンジする際は、スキルや経験よりも人物評価に重きを置いた採用が行われます。
面接の受け答えが採用の可否に大きく影響を与えるため、入念な準備を進めましょう。
「どうしてシステムエンジニアになろうと思ったのですか?」などの頻出な質問は元より、「将来的にどんなエンジニアになりたいのか」などキャリアビジョンも明確にしておくことが大切です。
システムエンジニア(SE)に向いている人の特徴
システムエンジニアは多くの未経験者が挑戦しやすい職種ですが、性格によって向き不向きがあるものです。
具体的には、以下の特徴がある人はシステムエンジニアに向いています。
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「最新・変化」についていける
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好奇心旺盛
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論理的である
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情報収集能力がある
ここでは上記素質について解説しているので、自分の性格と照らし合わせてみてください。
「最新・変化」についていける
システムエンジニアに向いている人は、「最新・変化」についていける人です。
IT技術は日進月歩で進化を続ける分野なので、変化に対して柔軟かつ迅速に対応できる人間でなければついていくのが難しいでしょう。
例えば、AI技術などはつい5年ほど前までは、一部の研究機関でのみ利用されていた技術でした。
しかし、現在ではChatGPTや画像生成AIなど一般の人手も利用できるAI技術が広まっています。
AIを利用したシステム開発なども実践されてきているので、最新技術や変化についていけないエンジニアは人材としての市場価値が高まりにくいでしょう。
好奇心旺盛
システムエンジニアは好奇心旺盛であることも大切です。
IT技術に対して高い好奇心がある人は、自然と知識や技術が身に付きやすく、スキルレベルの高い人材に成長できます。
新しい技術も率先して学んでいけるので、組織内においても最先端技術を理解した頼れる人材となれるでしょう。
一方、IT技術に対して好奇心がわかない場合は、初歩的なプログラミングスキルを身につけることすら苦痛に感じる可能性もあります。
プログラミングに触れている本人が辛いだけでなく、組織的にも成長意欲が低い人材として扱いにくい存在となる危険性もあるでしょう。
論理的である
システムエンジニアには論理的に物事を考える力も求められます。
論理的とは一口に言えば、「筋道を立てて課題を解決できる力」です。
システムエンジニアはクライアントの要望をIT技術を使って叶える職業です。
要望実現のための仕様について考えた結果をクライアントに説明する責任もあるため、筋道を立てた思考が重要になります。
例えば、システムの具体的な仕様を決める際には、「〇〇だから〇〇という機能を作成した」というようにその仕様になる明確な理由を説明できる必要があるでしょう。
論理的思考力が低い場合は、問題解決に向けた仕様の決定や決定した仕様の説明などが難しくクライアントなどから信頼を得られない可能性が高いです。
情報収集能力がある
システムエンジニアは情報収集能力も必要です。
システム開発の現場では、技術的なトラブルや不明点が出てくるものです。
情報収集能力が高いシステムエンジニアは、自分で調べてトラブルや不明点を解消する力を持っています。
つまり、課題解決も自分自身で行えるので、開発効率高くプロジェクトを進行させられます。
一方、情報収集能力がないエンジニアは、自分自身でトラブルや不明点を解決できません。
場合によっては誰にも相談すらせず、独自の判断で突き進むケースもあります。
トラブルに対処せずにプログラミングを進めた結果、結合テストが全く上手くいかないということもよくある話です。
情報収集能力が低いとプロジェクト全体に迷惑をかけることにも繋がるので、わからないことは自分で調べたり有識者に相談したりする姿勢を持っておきましょう。
システムエンジニア(SE)に必要なスキル
システムエンジニアには以下のスキルを身につけることも大切です。
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プログラミングスキル
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論理的思考力
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課題発見・解決能力
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コミュニケーション力
未経験の場合は、いきなりこれら全てを身につける必要はありません。
ただし、面接などではこれらの素養があるかもチェックされるので、事前に確認しておきましょう。
プログラミングスキル
システムエンジニアは、何よりもプログラミングスキルが必要です。
クライアントの要望をプログラムを使って、どのように実現するかを考える仕事なので、プログラミングスキルがないと仕事になりません。
顧客から提案された仕様が技術的に実現可能かどうかの判断もできないので、システムエンジニアとして活躍するには必須のスキルと言えるでしょう。
たとえ転職前であっても、初級レベルの技術力を身につけることをおすすめします。
論理的思考力
システムエンジニアには論理的思考力が必須です。
システムエンジニアは、どうすればシステムが実現できるかを筋道を立てて考える必要があります。
また、クライアントに実現方法を提示する際は、根拠を明確にした説明も求められるでしょう。
時には周りのエンジニアに担当機能の仕様を説明しなければいけないこともあるので、論理的思考力がないとチーム内での情報共有にも支障をきたす恐れがあります。
課題発見・解決能力
システムエンジニアには、課題発見や解決能力も必要です。
そもそもシステムエンジニアの仕事自体が、顧客の課題をIT技術で解決することです。
「新規システム導入で事業の効率性を高めたい」「お客さんに新しいWebサービスを提供したい」など、クライアントごとの課題に真摯に対応することが求められます。
また、システム開発の現場でもバグの発生やテストの失敗など、日々、問題や課題も起こるものです。
システムエンジニアはこれらの課題を解決しながらクライアントの夢の実現を行っていくので、問題解決能力は重要なスキルと言えるでしょう。
コミュニケーション力
システムエンジニアには、コミュニケーション力も求められます。
システムエンジニアは一人で黙々とシステム開発をするわけではありません。
プロジェクトごとにチームが組まれ、エンジニア同士やクライアントと手を取り合って開発を進めていきます。
開発規模が大規模になればなるほど、多くの人たちと一緒にシステム開発を進める力が必要です。
ときには仕様決定のために周りのエンジニアを巻き込んだり、クライアントと顧客折衝に臨んだりしなければいけないため、高いコミュニケーション能力が求められます。
言葉遣いや表情など、相手を思うコミュニケーションが取れない人は、チーム内だけでなく対顧客からも良い印象を得られず孤立する可能性も高いです。
未経験からSEに転職する方法
未経験からSEに転職するには、以下2つの方法があります。
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未経験可の求人を探す
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企業が未経験者に求める条件を理解する
それぞれのポイントを具体的に解説しているので、参考にしてください。
未経験可の求人を探す
未経験からSEに転職する際には、未経験可の求人を探しましょう。
システムエンジニアは経験の有無によって技術力や知識に大きな差が出るため、経験者向けの求人に未経験で採用されるのは非常に難易度が高いです。
一方で、未経験向けの求人であれば、技術力よりも人柄や人間力を重視してくれるので、面接の受け答え次第によっては採用される可能性も十分あります。
また、システムエンジニアは人手不足でもあるので、未経験向け求人が多いことも特徴です。
まずは転職サイトなどを利用して、未経験可のシステムエンジニア求人を探してみてください。
企業が未経験者に求める条件を理解する
未経験からシステムエンジニアを目指す際は、企業が未経験者に何を求めているかの理解も大切です。
システムエンジニアは未経験可の求人も多い職種ですが、だからと言って誰でも面接に合格できるわけではありません。
企業が未経験者に求めるのは、以下のような素質です。
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IT技術に対する高い学習意欲がある
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IT業界での明確なキャリアビジョンを持っている
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ITスキルを身につけるために実際に行動を起こしている
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論理的思考力が高く筋道を立てて説明できるコミュニケーション力がある
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身だしなみや礼儀など社会人として問題ない対応が可能
面接などでは、上記の素質の有無を重点的にチェックされます。
これらの素質があることを転職前に初級スキルを磨いたり、ポートフォリオを作成したりして戦略的にアピールしていきましょう。
まとめ
今回は未経験からシステムエンジニアに転職する方法を紹介しました。
システムエンジニアとして活躍するためには、プログラミングスキルや問題解決能力など様々なスキルが必要です。
しかし、未経験歓迎の求人も多く見られる業界なので、たとえスキルが未熟であっても適切に素質をアピールできれば採用される可能性は十分あります。
自分でスキルを身につけるなどして、学習意欲の高さなどをアピールしていきましょう。