Androidエンジニアは、スマートフォンOSとして有名なAndroidアプリの開発に携わるエンジニアを指す言葉です。
しかし、その具体的な実態や業務内容について想像がつかない人も多いでしょう。
そこでこの記事では、Androidエンジニアを目指す人向けにAndroidエンジニアの特徴や仕事内容などを詳しく解説します。
Androidエンジニアに必要なスキルや将来性なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
Androidエンジニアとは
Androidエンジニアとは、スマートフォンやタブレットとして利用されるAndroidOSで利用されるアプリに関わるエンジニア全般を指す言葉です。
Android端末上で利用できるアプリの開発や、ユーザーがストレスなく利用できるように運用やシステムの保守などを担当します。
エンジニアと聞くと黙々と開発のみを行っている姿を想像する人も多いでしょう。
しかし、いわゆるコードを書いていくプログラマーだけでなくアプリの企画や動かすための基盤づくり、OSそのものの改修などを行う業務に携わる存在もAndroidエンジニアに分類されます。
Androidとは、またその特徴は
そもそもAndroidとは、本来はGoogleが開発したAndroidOSを指します。
しかし、一般的にはAndroidが導入されたスマートフォンやタブレットという意味合いで使われることが多いです。
そんなAndroidの最大の特徴としてあげられるのは、シェア率が高いことです。
アウンコンサルティング株式会社が行ったスマートフォンやタブレット向けOSのシェア率の調査では、以下のような結果となっています。
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Android：72.2％
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iPhone：26.99％
iPhoneと比較すると上記のように非常に多くの利用者がいるため需要が高いOSと言えるでしょう。
Androidエンジニアがいない理由
シェア率が高く需要のあるAndroidですが、実はエンジニアが足りていないという実情もあります。
ここではAndroidエンジニアがいない理由を、以下の内容で解説します。
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スマートフォンアプリ市場とアプリの種類の変化
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iOSに比べると習得難易度が高い
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Android開発の推奨言語であるKotlinの習得者が少ない
スマートフォンアプリ市場とアプリの種類の変化
Androidエンジニアがいない理由は、スマートフォンアプリ市場やアプリの種類が変化しているからです。
従来までのスマートフォン向けアプリは、ゲームや一部の便利な機能を備えたもののみが提供されていました。
しかし、近年は様々な企業サービスや行政サービスなどもアプリ化が進んでおり、一気に需要が高まっています。
Androidアプリは急激な需要の増加に対して、エンジニアの供給が追いついてない現状があります。
iOSに比べると習得難易度が高い
Androidエンジニアの不足には、iOSと比較してアプリ開発に必要な言語の習得難易度が高いことがあげられます。
Androidでは一般的にJavaと呼ばれる言語が使用されますが、Javaは記述が複雑であるため、新規で習得するには多くの学習時間がかかります。
例えば、iPhoneで使用されるSwiftとJavaで画面上に「こんにちは」と表示させるプログラムを記載すると以下のようにJavaの方が複雑な記述が必要です。
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【Javaの場合】 |
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public class Main { public static void main(String[] args) { System.out.println("こんにちは"); } } |
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【Swiftの場合】 |
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print("こんにちは") |
また、Javaは汎用性が高い言語であることから、Androidアプリ以外のWebシステムなどにも多く利用されています。
そのため、Javaを習得したエンジニアが全てAndroidエンジニアとして活躍するわけでなく、供給が分散しやすいのです。
習得難易度が難しい言語を利用している点や様々な場でJavaエンジニアが求められていることから、Androidエンジニアが足りない状況となっています。
Android開発の推奨言語であるKotlinの習得者が少ない
Androidエンジニアが少ない理由として、Kotlinの習得者が少ないこともあげられます。
KotlinとはGoogleが2019年にAndroid開発の推奨言語に設定したプログラミング言語です。
Swiftのように簡易的な記述で開発が行えるものの、最近出始めた言語であることからなかなか習得者がいないという問題があります。
また、Kotlinは一般的にAndroidアプリに特化した言語であるため、Javaのような汎用性が低く、人気も高くありません。
事実、世界のプログラミング言語指標などを発表しているTIOBE indexによると、Kotlinの使用指数は全体の21位と低い順位です。
Java言語が全体3位であることを考えると、Kotlin習熟者を探すのは困難と言えるでしょう。
裏を返せば、Kotlinでの開発ができるエンジニアは希少性が高く、需要が高まるとも予想できます。
Androidエンジニアの主な仕事内容
次にAndroidエンジニアの主な仕事内容を解説します。
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アプリの開発業務
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要件定義
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コーディング
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テスト
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リリース
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保守運用
アプリの開発業務
Androidエンジニアの仕事としてまずあげられるのが、アプリの開発業務です。
顧客から作成したいアプリについて、聞き取りなどを行ったうえでJavaやKotlinを利用してコーディングしていきます。
一般的にアプリ開発は顧客と条件をすり合わせる要件定義や、要件定義に合わせて設計書を作成する上流工程と、設計書のとおりにコーディングを行いテストを実施する下流工程にわかれます。
それぞれの業務内容については後述するので参考にしてください。
要件定義
要件定義とは、顧客要望を聞き出してアプリ開発の目的などを明確にする作業です。
主にPMやPL、ITコンサルタントが出席して、顧客のアプリ開発に関する以下のような要件を聞き出します。
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アプリ開発の目的
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想定顧客
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機能の概要や流れ
アプリ開発の根幹を決める重要なフェーズであるため、顧客がどのような要望を持っているのかを聞き出すための深い経験やスキルが求められます。
コーディング
要件定義を実施したあとは、その顧客要件を実現するための設計書を作成します。
この設計書を元に行われるのが、コーディングです。
コーディングとは実際に設計書に沿った内容をプログラミング言語を用いて再現していく作業で、製造工程とも呼ばれます。
Androidエンジニアの場合はKotlinやJavaを使い実際にプログラミングを行っていきます。
エンジニアと言われて多くの人が最初に思い浮かべる仕事内容がこのコーディングです。
テスト
コーディングを行った後はテストを実施します。
顧客の要件を満たすような動きができているかをチェックシートを作成して確認していく作業です。
予期せぬエラーや不具合が起きないかを綿密にチェックしていきます。
テスト工程が甘いとユーザーの使用感にも大きく影響され、売上にも直結するため丁寧な確認やバグ修正が大切です。
リリース
テストでチェックが完了したら、実際にリリースを行います。
リリースとは世の中にアプリを出すことで、AndroidアプリにおいてはGoogleストアにアップロードすることを指します。
Googleストアへのアップロードには審査があるため、万が一審査に落ちてしまった場合は、また不具合や機能を修正することが必要です。
保守運用
Androidアプリはリリースしたら終わりではなく、ユーザーが長い年月ストレスなく利用できるように保守運用を行います。
保守運用ではOSのアップロードに合わせてアプリのバージョンアップを実施したり、ユーザーからフィードバックにより判明した不具合やバグの修正を行うことが仕事です。
保守や運用はユーザー満足度にも直結する重要なフェーズです。
たとえ不具合が起きたとしても、早急かつ丁寧な対応を行えば逆に好感を得られるケースもあります。
一方で不具合を放置したり誠実な対応を行わなかったりすると最悪の場合、炎上リスクもあるため、アプリを永続的に利用してもらうためには保守運用の体制づくりが重要です。
Androidエンジニアに必要なスキル
次にAndroidエンジニアに必要なスキルを紹介します。
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Kotlin・Javaのプログラミングスキル
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Android Studioなどの開発環境の使用スキル
Kotlin・Javaのプログラミングスキル
Androidエンジニアになるためには、KotlinかJavaのプログラミングスキルが必須です。
どちらの言語も学習するメリットが大きいですが、Androidエンジニアとしてスペシャリストを目指したい場合はKotlinを習得するのがおすすめです。
KotlinはGoogleがAndroidアプリ開発に推奨しているプログラミング言語であるため、需要が高い傾向にあります。
Javaと比較すると記載方法がシンプルなので、学習しやすい点もメリットです。
これからAndroidエンジニアになりたい場合はKotlinを選んだ方が、学習効率よく、需要の高いエンジニアを目指せるでしょう。
Android Studioなどの開発環境の使用スキル
Androidエンジニアになるためには、プログラミングスキルだけでなくAndroid Studioなどの開発環境の使用スキルも必要です。
Android StudioとはGoogleが公式に提供しているAndroidアプリ向けの開発ツールで、以下のようなメリットがあります。
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コードの自動補完で高速開発が可能
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ツールや機能が豊富でテストがしやすい
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ビルドが簡単に行えすぐにリリース状態にできる
上記のような大きなメリットがあるため、多くの開発現場で利用されています。
実際にAndroidエンジニアとして働くためには、Android Studioを利用することが前提となるため必ず利用方法を習得しておきましょう。
Androidエンジニアの将来性
最後にAndroidエンジニアの将来性を解説します。
現状、Androidは世界中で70％以上ものシェア率を誇るため、需要自体が高いです。
今後Android端末が普及していけば、さらにアプリ開発の需要も高まっていくと考えられます。
iOSがiPhoneのみで利用されている限定的なOSであると考えると、様々なスマートフォンやタブレットで利用されているAndroidは今後もシェア率が高まっていくと予想できるでしょう。
Androidエンジニアの需要は今後も高まる
Androidエンジニアの需要は今後も高まると考えられます。
理由は、現在様々なサービスがアプリ化されており、スマートフォンアプリが社会インフラの一部として機能し始めているからです。
例えば、マイナンバーに関する手続きを行うマイナポータルや各種銀行の残高照会アプリなど、生活に密接に関わるサービスが続々とアプリ化されています。
今後も様々なサービスがAndroidアプリを通じて利用できるようになると考えられるので、Androidエンジニアの需要は高まり続けると言えるでしょう。
また、AndroidOS自体が非常に汎用性が高く、様々な家電や車載デバイスなどに利用されています。
近年はモノをインターネット接続して便利に利用するIoT技術なども注目されているので、スマートフォンやタブレット以外でAndroidアプリを利用できるようになると予想できます。
AndroidOSの伸長に伴って、Androidエンジニアの活躍の場も広がっていくでしょう。
まとめ
今回はAndroidエンジニアについて解説しました。
Androidエンジニアは足りていないという現状があるので、スキル習得すればフリーランスとして独立を目指すことも可能です。
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